蕎麦を極めようと、はたまた雰囲気を掴もうと、そば屋を探す。
蕎麦学校を終えて決まった就職先は、中央線沿線は神楽坂の近くの手打ちそば屋。
脱サラの親父が経営をしていが、場所柄人の出入りが多く、大規模マンションの中にあるので雨の日は意外と忙しい。
のれんには手打ち蕎麦とうたってはいるが、実は機械練り機械打ち。
蕎麦はもとより、天丼・カツ丼・親子丼など、そば屋の定番はあるが・・・・
刺身・焼き物・煮物・焼き鳥・とり鍋・・・・ステーキ・うなぎ・懐石コース????・・・・アレレレ!?(・_・;?・・・
こんなに誰が仕込むのだ。
朝の仕込みはカツ丼用のパン粉付け、米を研ぐ、お新香、天ぷらの具材の準備をこなして昼の営業を迎える。
昼は天ぷら揚げとカツ丼担当で、夜は焼き物・煮物・揚げ物担当。
2つあるフライヤーは天ぷら用とカツ丼用でオーダーがあると料理をする。
如何にしろ安いサラダ油を酷使して使い、油がボロボロになろうと漉して継ぎ足せといわれた。
昼のピークが一段落すると親父は赤いスポーツカーで買い出しへと出かける。
池袋の近くの大型スーパーへ魚、肉、その他諸々を買ってくる。
そして仕入れは築地に行っていますという会話をする・・・・ヽ(゚〜゚o)ノ アキマヘンワ。
料理人は小生を入れて四人プラス親父。
隣どうしの2つの店を行ったり来たりする。
厨房はネットオークションで揃えた不揃いの器具が並び、遣い勝手が悪く尚かつ狭い。
無駄な動きが多く、せわしない厨房で精神的に疲れる。
1週間目で辞める決心をするのだが・・・・・子供達もお腹を空かせて待っているし。
やっと決まった働き先で女将の悲しむ顔を思うと、忸怩たる思いでこの精神的苦痛に耐えてしまう。
そして約9ヶ月続くのだが、この間は愚痴ばかり・・・・・続く。