次の店を探しながら勤めた蕎麦屋は、嫌々ながらも生活のために仕事をこなす。
毎度毎度の下らない料理に嫌気がし始めた夏頃に、不動産屋から連絡が入り「小田急線の祖師ヶ谷大蔵に物件がありますが・・・・」と。
案内された店舗は、駅から徒歩2分という魅力な立地。
利点・欠点が明確に分かれて、出店の判断がなかなか着かず悩んでいた。
実はこの店舗、1年間空いていた事を知っている。
地下1階にある空間は・・・・・・店舗ではない。
倉庫なのだが、エレベータが付いて給排水電気設備はある。
22坪の広さは丁度良いが天井が低い。
店舗でない割には家賃・保証金がバカ高な空間。
窓もない、空調設備もない。
コンクリート打ちっ放しの空間は、音の反響で会話もままならない。
ここは空いていても当たり前だった。
家賃交渉が満足できたら契約をしようと準備をする。
交渉に入りながら、収支計画を練る。
図面を手に入れて絵を描き、建築屋さんとの打ち合わせと建築費の交渉。
仕舞ってある器具・備品を点検する。
銀行へ借り入れの算段。
全ては仕事をしながら動くので、3〜4ヶ月は慌ただしく過ぎていく。
働いていた蕎麦屋を辞める話をするのだが・・・・・
ここの蕎麦屋は人使いが荒く、給料もすくない。
誰かが入ると、誰かが辞めてしまう。
夜だけでもアルバイトで働いてくれろと、時給は言い値で良いと頼まれた。
仕方がないので了解をするが、店のオヤジは信用ならない。
タイムカードをコピーして自分で計算をする。
・・・・やはり時給は誤魔化されていたので、店とは・・人とは・・と、懇々と説教をした。
唐墨仕掛かり報告 その1

色形はほぼ完成品に近いのだが、中の水分は未だ抜けずに手に取ると柔らかい。
週末は雨の予報なので、冷蔵庫にて休ませる。
ザックリとの予測は、後2週間というところか。