
船戸与一「満州国演義」は10年前に新書を4巻まで買い、読み続けていたのだが
いつの間にか積読本となった。
住まいの改築時に本を整理することとなり、引っ越し用の段ボール約9箱分の
本と共に売ってしまった。
豪州へ来る前に、文庫本が全9巻出揃ったので、再チャレンジと言うことで
9冊を買いそろえスーツケースに詰め込んだ。
この分の重さで、他の備品を持ってこられたという事は置いて於く。
小説とはいえ、歴史の事実に肉付けされた話。
心が折れて本を開けずに、9巻目のラスト半分で止まっていた。
先週末から月曜日までの4連休は後半二日で、裏庭にサマーベッドを持ち出して
そろそろと読み始めた。
秋とはいえ30℃を超す暑さ、漏れ日の中爽やかな風がながれる。
戦時物を読むというシチュエーションではないのだが
ワインをチビリチビリとページを捲り、ラストまで一気に読んでしまった。
中身もさることながら読み終えた達成感の方が強かった。
久しぶりの長編読破は、北方兼三の「水滸伝」「楊令伝」以来。